2020.12.25
コラム

脳ドックの実際②  例60代女性の場合

脳ドックの受診についてよくあるケースでご紹介します。

普段は特に何も症状はなく健康に過ごしている60代女性です。ご友人が脳卒中で倒れてしまったことをきっかけに一度脳ドックを受けてみようと考え、電話でご予約されました。

脳ドック当日はご持参された健康結果(悪玉コレステロール高値:150mg/dl)を確認しながら、これまでの生活習慣(食事、運動など)や病歴、症状の有無などを問診した上で、MRI検査を行いました。

15分程度のMRI撮影の後、院長から結果の説明を受けました。

MRIでは脳血管に動脈瘤が発見されました。脳動脈瘤は破裂すると「くも膜下出血」という生命に関わる大病につながります。幸い2mm程度の小さな動脈瘤であったため、現段階で手術の必要はありませんでした。

しかし、悪玉コレステロールを高いまま放置すると動脈硬化により血管が傷んでしまいます。そのため、動脈瘤の破裂を未然に防ぐためには悪玉コレステロール値の改善を目指して食生活を見直し、生活習慣病の管理をしっかりやっていく方針となりました。また、定期的にMRIをとり動脈瘤の状況を経過観察していきましょうと院長から説明を受け、安心して帰宅されました。

脳動脈瘤は脳血管が「こぶ」のようにふくれる状態です。脳動脈瘤があることで頭痛やめまいなどの症状はおきません。無症状のことがほとんどです。そのため脳血管に動脈瘤ができていることに自分で気づく人はいません。しかし、知らないまま放置し脳動脈瘤が破裂すると「くも膜下出血」という生命に関わる大病につながります。くも膜下出血になり突然倒れる前に対処するためには脳ドックで脳血管を確認するしか手段はありません。

そのような事態を未然に防ぐためにも、あいち脳神経クリニックで脳ドックを受けてみませんか。