2021.01.15
コラム
コロナ禍における脳ドックの役割
新型コロナウイルスにより脳梗塞発症リスクが増大
新型コロナウイルスと血栓症との関連性が指摘されています。
新型コロナウイルスの患者さんでは免疫が暴走して炎症を引き起こす物質が大量に出ることにより、血栓(血の塊)ができ、血管に詰まって脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすケースがあることがわかってきました。血栓により脳の血管が詰まってしまうと脳梗塞となり、重い後遺症を残してしまいます。脳梗塞はならないことが重要であり、予防がその治療目標となります。
日本血栓止血学会は、「新型コロナウイルス感染症により血栓症発症リスクが増大」として警鐘を鳴らしています。
脳ドックでは、脳血管を詳しく調べることで、現時点で血管が細くなって詰まりやすい状態かどうか(脳血管狭窄)を判断できます。もし血管が細く詰まりやすいことがわかっていれば、詰まりにくくなるような薬(抗血小板薬など)で予防策をこうじることができるからです。また詰まるほど細くなくても血管に動脈硬化があるようでしたら、その原因となっていることの多い生活習慣病の治療を強化するといったことで、さらなる動脈硬化の悪化を未然に防ぐことができます。
まとめ
新型コロナウイルスと脳梗塞の関連性が指摘されています。現時点で我々ができることは、現在の脳血管の状態を調べ、詰まりやすい状態であるなら詰まりにくくなるような治療を強化しておくことが重要だと考えます。